2013年3月3日日曜日

亀田潤一郎著『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか? 』を借りて読んだ。


■兄は、幼い頃からよく本を読む。同じ環境で生まれ育ったにしては、それほどでもないと思うけど、世間一般から比較すると、自分もまた、そうなのかも知れない。

小中学校の頃から、国語科目では特に、勉強をしたという意識がなくても、学年で上位の成績であり続けていた。
その点ではたぶん、兄よりもそうだったんじゃないかな。それは、幼い頃からの読書の習慣のおかげでないと説明がつかないから、自分もまたそうなんだろう。 

日記を書きなさい、とは、何度も言われた。
兄はつけていたんじゃないかと思うが、自分は、すぐに飽きてしまって数ページしか書かれていない日記ノートをいくつも作った。

それはそれとして、自分から見ても、兄はよく本を読む。
社会人になってからの自分は、仕事で読まざるをえない本以外の本を買って読むということがぐっと少なくなったが、兄は相変わらず、本を消費し続けている。

その中のいくつかを、貸してくれる。

漫画もある。それは、ほとんどが格闘技系。
書籍は、最近は、ほとんどが実用書系。
文芸なきこの現代にも売れ続けている、自己啓発書が多い。

そうやって回ってきた本を、たまには、レビューをしてみようと思う。

■今回紹介する書籍は、亀田潤一郎著『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』、自己啓発書ではポピュラーな、サンマーク出版からの本だ。

いっときからのブームとなった新書判ではなく、四六判の本であるが、装丁からいって、それと同等な、軽さ、手軽さ、悪く言えば安っぽさがある。

タイトルは、そうそう、その、新書版で、大ヒットになった山田真哉著『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』光文社に類する、素朴なギモン系。

書籍の全体の内容をタイトルに表現するのではなく、内容のごく一部分のアイキャッチになるような言葉を引き出して、タイトルにしてしまっている。
いわば「釣り」である。
テレビ的というか、インターネット的というか。

あの本が出て以来だと思う、ソレ系のタイトルの本が続出して、氾濫して、既にどこがオリジナルというのではなくて、本のタイトルの付け方の、ひとつのあり方みたいになってしまった。

それがエスカレートして、岩崎夏海著『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 』ダイヤモンド社、みたいな、もしも系の長いタイトルが出現し、書籍のタイトルは長くなるばかりである。

長いタイトルにして、たくさんの言葉を使うことで検索ワードにひっかかりやすいと、どこかで見かけた。
そういう理由もあるのかもしれない。

長いタイトルで思い出すのば、SFのフィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』早川書房ってのが、元祖の気がする。
「?」もついてるしね。
これはそれ以前に有名な本だからパロディ的な本もたくさん出た。

どーでもいいか。そんなん。

■さて、中を読んでみる。

最近の本は、こういった実用書にしろ、文芸書にしろ、見かけほど内容がつまってないから、読みきるのには難はない。
中高生の頃には、こういう本を「スカスカ」と思っていたし、言っていた。

その頃、このくらいの大きさ厚さの「スカスカ」でない「ちゃんとした」本は、いまの倍くらいの値段がした。

デジタル書籍の時代になったら紙代印刷製本代がかからんから、本は安くなるだろう、という意見があるが、同じような大きさ厚さの本が、半額くらいの値段になったのは、要するに、内容の濃さだ。ソレ以外に差はない。
紙代印刷製本代を差し引いても、その差は残る。
しかし残念ながら、中身の詰まった、「スカスカ」ではない立派な書籍たちは、著作権期限切れ、とかでデジタルデータが公開されて、タダで読めてしまったりして、ありがたみがなくなっている。

どうなんだ、それ。

■また話が逸れてしまった。

続きはまた、あとで追記しよう。

前置きで長くなったので、エントリーも分けよう。

いや、内容にひとつも触れないで、ここを終えるのもなんなんで、ひとことでまとめとくとする。

読んでみて害はないし、時間の無駄になるほど時間もかからない。だから、読んで損はないだろう。
いまどきのこういった本からしてみると、ていねいに書かれて、よく編集された、内容の整理された、読みやすい、良い本だ。

著者の苦労話もちょいと出てくるが、そればかりではないし、そういうのは、こういった本の中では少なく、ささやかってくらいだから、苦労話や自慢話を長々と読まされるような本でもないから、不愉快な気持ちにさせられることも無いだろう。

それは心がけだよ。とか、念じれば通じるから念じなさい、とか、そういうバカみたいなことだけしか書いていないような本でもないから、いや、そういうことも書いてあるけどね、それだけじゃないから、読んでみても損はないだろう。

実用として役に立つことが書いてあるかというと、確かに怪しい。その、周辺のことがらが多い。
周辺を整えることで、中心を良くしよう、といえばわかりやすいかな。
もともとが、それほど深みを追求する種類の本ではないからね。自己啓発書だから。

本の体裁をした、ちょいと厚めの字が大きめのパンフレットだと思えばいい。
読んで、なんとなく、やる気になるとか、頭の中がスッキリするとか、長期的には、マジで実用になるかも、という、効果は期待していいと思う。

あ、書いてしまったな。
別にエントリーを起こす必要ないか。

■あとは、読んで欲しい。
1300円+税という金額を、気安く払える立場にあるのなら、あるいは、そのくらいの金額を気安く払えるくらいに、本に馴染んでいる方なら、書店で見かけたら、あるいは、Amazonや楽天で検索して、買ってみて損はないと思う。

その金額があれば、うな重の安いのを食べたいとか、それとの二者択一になるのなら、そこを押してまで勧めはしない。
そういう方は、普段から活字に馴染みがない人だと思う。

そういう方は、こういう、気楽に読めて、なんとなくためになって、気分が良くなる本が、他にもたくさん、身近にある時代なのだから、図書館に行ってみたらどうだろう。あるいは、立ち読みがちょいとできる大きな書店でも。
そこで、この本をみかけたら、手にとってみて欲しい。その他の本もいろいろ、読んでみると、本を読むことが、気楽で、時間もたいしてかからず、気分の良くなる、方法だってことをまず知ってもらえるんじゃないかと思う。

こんなんでレビューになっただろうか。
次に書評を書くときは、もうちょっとマシに書こう。

追記:いや、もともとは、この本の中で、いくつかのココロにヒットした言葉を、メモろうと思ったんだよね。
メモるなら、レビューとしてここに書いとこう、自分自身、折にふれて読み返すのはここだし。
で、書き始めたら、気がついた。
それ、ここに書いてしまったら、数は少ないとしても、ここを読んでくれた方々は、この本を読もう、という気分になるよりもむしろ、この本を読んだ気分になってしまうってこと。
それは自分の本意ではない。それで、こうなった。
今後のレビューにはこの点についても、工夫が必要だね。

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